からだにいいこと温活プロジェクト

川嶋先生の「からだにいいころ」「温活」プロジェクト ー “ストレス冷え”には「心を癒やして温活」

女性の体に現れるさまざまな不調を辿ると、多くの原因は"冷え"に行き着きます。
そこで、今回は"ストレスによる冷え"の解消法をご紹介しましょう。

川嶋朗先生

川嶋朗先生

東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長。東京女子医科大学内科在勤中に、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院留学。北海道大学医学部在学中に東洋医学研究会を創設し、現在も近代西洋医学と代替・相補・伝統医療を統合した医療をめざしている。

“冷え”解消のために一緒に「温活」始めましょう

 なんだか体がだるい、疲れやすい、よく風邪をひく、ニキビが治らない……。病院に行くほどではないけれど、健康ともいえない今の状態がツライ、という方は多いのでは?
「その原因は"冷え"かもしれませんね」
 と、教えてくれたのは医師の川嶋朗先生。
「冷えは血流を滞らせます。でも、血液は体の隅々にまで酸素や栄養を運び、熱を産出し、老廃物や疲労物質を回収する働きをしていますから、その血流が滞ると、体中のあちこちで問題が起こるわけです」
 そこで、「冷えによるトラブルから女性たちを守ろう」と、川嶋先生をはじめ、女性の体の不調に詳しいドクターたちや各企業が発足させたのが『血めぐり研究会』。そこでは、「カラダをポカポカ温めて、見た目はもちろん、心の中までヘルシー&キレイになりましょう!」というスローガンのもと、『温活プロジェクト』が発進しています。
「冷えは、体が発しているSOSです。冷え性や低体温は単なる体質ではなく、万病のもとになるのです。冷えを解決することは、健康で美しくなっていくことですから、ぜひぼくの提案する方法を実践してみてください」

たまったストレスが“冷え”の原因に!

 朝から満員電車で我慢をし、会社では人間関係に悩み、家では勝手な夫や言うことをきかない子どもにイライラ……。
「そんな、『ささいなことぐらいで』と思えるストレスも、ためてしまえば"冷え"の原因になります」と、川嶋先生。
「ストレスというのは、自分の関わる環境や他人との接触の中で、適応するのが辛いと感じた時に起きることです。ですから、ストレスを全くなくすことはできませんが、ストレスの原因を忘れる時間を増やしたり、ストレスに負けない心や体を作る工夫が必要です」
 そこで、ストレス冷えに向けた「温活テク」をご紹介。これらを実践して、リラックスして、心を癒やせる生活を送りましょう。

冷え解消でトクする6つのこと

冷えは万病のもとではありますが、では、冷えを解消すると、体は今とどのように変わるのでしょうか。温かい血液が、体の中をめぐると、こんなに"からだにいいこと"があるのです。

代謝がアップ

体温が上がると基礎代謝がアップ。消費エネルギー量が増えるので、ダイエットになり、太りにくい体を作ります。

血がめぐる

血流が良くなると、体の中の老廃物がスムーズに排出されるようになり、肩こりや首こりなども解消されます。

自律神経が整う

冷えは交感神経を優位にし続け、自律神経のバランスも乱れます。自律神経が整うと、イライラなどがなくなります。

自己治癒力が上がる

血流が良くなれば、自然治癒力もアップ。風邪やインフルエンザなどへの抵抗力が高まると同時に、治りやすくなります。

免疫力が上がる

冷えのない体は血行が良いだけでなく、様々な酵素の働きが良くなり、あらゆる病気に罹りにくくなります。

体の変化に対応できる

7歳ごとに変化すると言われる女性の体。冷えが解消すると、その変化にも対応でき、更年期障害も軽減されます。

あなたの冷え度チェック

川嶋朗先生おススメ 心を癒やす「温活テク」

ぬるめ入浴で平熱を上げる

体の芯まで温めることができる入浴。血行が良くなるだけでなく、ストレスの解消にもなります。38℃~40℃ぐらいの湯温で、じっくりつかるのが最適。川嶋先生は、「ぼくは毎日、36℃~39℃ぐらいの微温で30分は入浴します」。

ツボでストレスを解消する

自律神経の働きを整えるツボを刺激しましょう。「手にあるツボは、いつでも場所を選ばず押したり揉んだりすることができます。イライラした時や不安感がわいた時だけでなく、気が付いた時にも刺激するといいでしょう」

お気に入りのものに囲まれる

「心が安らぎ、癒やされるのは、大好きな音楽を聞いたり、好きな香りに包まれたりしている時です。気持ちがいいと感じることはすべてやってみましょう」。インテリアの色に、心が落ち着く青、緑、オレンジ、紫などを使うのも効果ありです。

お酒はカラオケで発散

「お酒の飲み過ぎは体にも睡眠にも良くありませんが、ビールやワインのグラス1杯程度は良薬です。また、ストレス発散にはカラオケもいいです。腹式呼吸で歌うことで、マラソンをするのと同じように、カロリーを消費しますからね」。

ゆっくり吐く呼吸をする

「呼吸には、自律神経が関係します。ゆったり息を吐き出す呼吸をすると副交感神経が優位に働き、心が落ち着きます」。そこで、ヨガ呼吸の基本をマスターしましょう。深い呼吸を意識的に行うだけでストレスが薄れていきます。

愚痴を言う

「ヒトに悩みや苦しみを聞いてもらうだけで、心は軽くなります。だから、愚痴が言い合える友人を作ることが大切ですね。また、毎日『ありがとう』と感謝しながら生活することも、気持ちをポジティブにし、心が癒される方法です」

笑い、感動する

「笑ったり感動することで、体温が上がるという報告があります。また、人は楽しいことをする前の期待感だけで免疫力がアップしますし、楽しみの後でもその効果が持続します。どんどん笑い、感動する生活を送りましょう」